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福島県立医科大学 消化管外科学講座

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大腸癌

大腸癌について

大腸癌は罹患数で日本1位(2019年)、死亡数で日本2位(2021年)で、日本における代表的な癌です。医学の発達にも関わらず、その死亡数は増加の一途をたどり、現在年間5万人以上が亡くなっています。当科も福島県を代表する大腸癌専門機関として、その治療に力を注いでいます。

当科での大腸癌の手術

大腸癌は結腸癌と直腸癌の総称です。我々は大腸癌に対しては、特殊な場合を除いて鏡視下手術 [腹腔鏡手術(図1)・ロボット支援手術(図3)]を基本としております。2022年では結腸癌で90%直腸癌では83%を鏡視下手術で行っています。(状況に応じて開腹手術が選択されることもあります。)当科には日本内視鏡外科学会認定の内視鏡外科技術認定医が6名在籍し、手術の質を確実に担保しています。

腹腔鏡手術

ロボット支援手術

ロボット支援手術の総論は「ロボット支援手術の積極的な推進」の項をご参照ください。

直腸癌に対する当科アプローチの推移

大腸癌

肛門機能温存について

直腸癌においては、肛門機能温存、つまり永久的人工肛門造設を回避することができるかどうかが、患者さんの術後の生活の質(QOL:Quality Of Life)に大きくかかわります。
直腸癌が肛門に近ければ近いほど、肛門機能温存は、①癌の根治性の観点から②手術の技術的な観点から、の両側面から困難となります。

①に対しては、術前化学療法および術前放射線化学療法のどちらか、もしくはその両方(Total Neoadjuvant Therapy: TNT)を導入することで、癌の根治性を向上しつつ肛門温存を目指しています。東北初のPET-MRIが当院で稼働中であり、術前の精細な診断の大きな力となっています。

②に対しては、究極の肛門温存手術といわれる括約筋間直腸切除術(ISR)を代表に、より精細な操作が可能なロボットを駆使して、より困難な肛門温存手術を行うことを可能としております。

これらのアプローチにより、可能な限りの肛門機能温存を目指しています。ただし、癌の根治性の問題、術前の肛門機能によっては人工肛門を選択した方が良い方が一定数おられることをご理解ください。また腹腔鏡下・ロボット支援下の精細な手術を駆使し、神経温存による性機能温存、排尿機能温存にも力を入れています。

ステージ4・再発大腸癌に対する治療

ステージ4、つまり遠隔転移(肝、肺、腹膜など)を伴う大腸癌や、再発した大腸癌に対しても積極的な治療を行っています。近年の研究で、転移があってもそれが切除可能であるならば、切除することで治癒が見込める可能性が広がることが分かっています。我々は福島県最後の砦として「あきらめない」をキーワードに、これら転移・再発大腸癌に対しても化学療法、化学放射線療法を織り交ぜ、肝胆膵外科、呼吸器外科、放射線治療科など他科と緊密な連携のもとに手術を行う、いわゆる集学的治療を積極的に行うことで、長期生存を追求し、良好な成績を得ています。

もちろん、治療方針の決定権は患者さん自身にあります。
担当医との徹底的な話し合いのもと、患者さん本人の希望にできるだけ添えるような医療を提案・提供いたします。

セカンドオピニオンも随時受付しています。
また当院から他の病院へのセカンドオピニオンも推奨しています。

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